発達障害をはじめとする「発達のアンバランス」と療育
2023.02.02
「発達のアンバランス」とは
近年、「発達障害」という言葉が広く認識されるようになりました。しかし、「発達障害」の現われ方は人それぞれで、非常に個性的です。具体的には、下記のような発達のアンバランスが乳幼児からの発達の過程で見られます。
・言語/非言語によるコミュニケーションが苦手
・常同的、習慣的なパターンを好み、創造性や創造性が必要なことは苦手
・感覚過敏・感覚鈍麻
・全身運動が苦手、手先が不器用
・注意集中のコントロールが苦手
・衝動性や感情のコントロールが苦手
・視覚認知、聴覚認知のアンバランス
・物事の見通しや計画を立てることが苦手
・知的発達のアンバランス など
これらの特性の中で、特定のアンバランスさが際立っている場合、「自閉症スペクトラム障害」「ADHD」「学習障害」などの診断名がつくことがあります。しかし、診断がなくてもこれらの症状に悩んでいる人は多くいます。例えば、小さいころから極端に忘れっぽかったり、運動が苦手だったり、集団行動が苦手だったりしませんか?そういった人の中には、上記のような発達のアンバランスが関係しているのかもしれません。
療育の現場
乳幼児期に発達障害と診断されたり、健診などで発達の偏りが心配されたりする場合、児童発達支援事業所や放課後等デイサービス等の療育機関で、特性に合わせた療育を受けることができます。例えば、下記のような様々な手法による療育が行われています。
- SST(ソーシャルスキルトレーニング)…挨拶行動、会話の仕方等のコミュニケーションスキルや社会的ルールについて、ロールプレイやモデリング等の手法を用いて学習します。
- 感覚統合療法…全身運動や手先の運動、様々な感覚刺激を遊びや音楽とともに楽しく経験し、協調運動や感覚の均衡化を促します。
- 眼球運動トレーニング…眼球の動きを訓練し、注意深く見る、必要な情報を的確に読み取る、俯瞰して眺める、部分と全体の統合、地と図の分化等の基本的な見る力を養います。
- ワーキングメモリと中央実行系のトレーニング…ワーキングメモリとは「作業に必要な短期記憶」のことで、その情報管理や指示を行っているのが中央実行系という脳の機能です。聴覚認知や視覚認知の訓練とともに、プランニング力や推理力を養います。
療育では、子どもの発達を促すとともに、能力のアンバランスさをできるだけ小さくすることを目的としています。また、それだけでなく、「楽しく取り組む」「得意を伸ばす」「達成感を味わう」「褒められる」といった経験を積み、自尊心を伸ばすことも大切にしています。
療育機関についてより詳しく知りたい場合は、公的な機関もしくは医療機関で相談するとよいでしょう。公的な機関には、子育て支援課や児童福祉課、こども相談センターなどがあります。