こころの保健室は名古屋市内の心理カウンセリング専門の心理相談室です。

心理コラム

睡眠障害の治療と認知行動療法

2024.10.05

睡眠障害は様々な病気と関連があり、睡眠障害の背後には別の病が隠れている場合もあります。

【睡眠と身体の病】

高血圧や心臓病がる場合、胸苦しさで目が覚めることがあります。また、呼吸器疾患では咳や発作が睡眠を妨げます。腎臓病・前立腺肥大などは頻尿のため夜中に起きてしまいやすくなります。身体の病については、その治療をすることで睡眠は改善されるでしょう。  

【睡眠とこころの病】

多くの心の病気には、睡眠障害が伴います。特にうつ病との関連が高く、うつ病の症状の一つとして表れることがあります。睡眠不足のほかに興味意欲の減退、気分の落ち込みが伴っている場合は、うつ病の可能性も考え専門機関に相談しましょう。

【睡眠と高齢化】

 高齢になればなるほど、睡眠時間は短くなる傾向にあります。高齢者においては、寝床にいる時間が長くなればなるほど睡眠の質が悪くなるといわれているため、8時間を超えて寝床にいることはないようにしましょう。また、女性においては閉経などによるホルモンの乱れの影響で不眠になることが多いです。生活習慣の見直しやホルモン補充療法なども有効といわれています。

【睡眠と認知行動療法】

 眠れない日々が続くと、「どうしたら眠れるのだろう」「眠れないのに夜になるのがつらい」といった観念にとらわれ、眠ること・眠れないことに対して恐怖感を覚えるようになり、さらに眠ることが難しく感じられるようになります。本来、休息であるはずの睡眠を恐怖に感じることはとてもつらいことです。このような睡眠に対する認知の偏りに対して、認知行動療法が効果的であるといわれています。

 認知行動療法は、誤って学習した行動や思考・考え方(認知の歪み)について取り扱い、適切な行動や認知に修正することでこころの安定を目指す心理療法です。睡眠の問題においては、不眠によって起こされた誤学習を修正し、適切な睡眠サイクルを取り戻すことを目指します。

 

 近年では、ドラッグストアなどでも睡眠を補助するような商品が販売されるようになりました。適切に使うことで睡眠の質を改選することが期待できますが、長期的に使用する目的で作られたものではありません。なかなか睡眠状態が改善されない時には、病院を受診したり、専門家に相談したりすることも検討しましょう。

たかが睡眠、ではありません。眠ることは私たちのここと体の健康の基本です。「心の保健室」では、専門家があなたの悩みに寄り添います。ぜひご相談ください。

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