うつ病に負けない心と体づくり
2024.04.10
厚生労働省の調査によると、うつ病を含む気分障害の患者は120万人以上といわれています。また、年々その数は増加しており、病院受診していない人の数を含めると、もっと多くの人々がうつ病をはじめとする気分障害で苦しんでいると考えられます。うつ病は誰でもかかる可能性がある病です。
【うつ病の治療】
抑うつ症状が重度の場合、まずは投薬治療を行います。抗うつ剤をはじめとする薬物療法を続けることで、症状の寛解が期待できます。また、症状が軽度であったり、症状が寛解して社会復帰を目指したりする場合、認知行動療法などの心理療法を行います。認知行動療法では、うつ状態を招くネガティブな思考パターンが存在すると考え、その悪循環を修正し、適切な思考パターンを学習することで症状を改善し、再発を防ぎます。
【うつに負けない心づくり】
- うつ状態の時の自分の思考パターンに気づきましょう。あなたが調子が悪いときにやりがちな思考や行動はありませんか?
例えば、
・「自分はダメな人間だ、迷惑をかけている、みんなに嫌われている」と思い込む。
・やらなければならないことを先延ばしにする。
・SNSやゲームを長時間やる。
・お酒をたくさん飲む。 など
こういった思考や行動は、あなた自身の本来の性格や気質のせいではなく、「うつ状態」でネガティブな思考回路に陥っているからではないでしょうか?
- 調子がいいときの自分の思考パターンや行動パターンに気が付きましょう。物事がうまくいっていたときの自分の思考や行動を思い出してみましょう。
例えば、
・身近な人に相談したら楽になった。
・ミスをしても「こういうこともある」「次がんばろう」と切り替えられた。
・趣味の時間を大切にしていた。
・美容や健康に気を使っていた。 など
心がネガティブになると、普段なら自然とできていたことを忘れていたり、やらなくなっていたりすることがあります。誰かに愚痴を言うことすら忘れていたりしませんか?自分ができる範囲で普段の自分を取り戻してみましょう。
【うつに負けない体づくり】
- エネルギーが足りなかったり、体力が低下していたりすると、自分の体を思い通りに動かすことができません。その状態が、さらに自分への自信を無くすことにつながります。適切な生活習慣で、うつに負けない体づくりを行いましょう。
・休憩時間、休日などをしっかりとる。
・食事を朝、昼、晩の3食とる。
・飲酒は“一杯まで”を心がける。
・週に2,3回、うっすら汗をかく程度の運動をする。
・6~8時間以上の睡眠をとる。
・気分転換できる時間、楽しいことをする時間をとる。
うつ病になると、意識がとても内向きになり、客観的に自分を見ることが難しくなります。これまでの自分や今の自分の悪いところ、いやなところばかりに目が向いて、あなたが本来持っている能力や良さ、これまで積みあげてきたものに気が付けなくなります。もしかしたら、底なし沼にはまったような感覚になっている人もいるかもしれません。一人では沼から出ることは難しいかもしれませんが、手を差し伸べてくれる人がいれば、少しずつでも沼から出ることができます。「こころの保健室」では、あなたに手を差し伸べるカウンセラーがいます。お気軽にご相談ください。