パニック障害ってどんな病気?
2024.02.29
最近、芸能人が「パニック障害」であることを公表し、活動休止に入るというニュースをしばしば目にするようになりました。パニック障害の罹患率は100人に1~3人程度と言われており、珍しい病気ではありません。また、20代~30代で発症することが多く、比較的若い人がかかりやすい病気です。
では、パニック障害とはどんな病気なのでしょうか?
パニック障害の主な症状は、「パニック発作」「予期不安」「広場恐怖」です。
◆「パニック発作」
パニック障害では、健康な体であるにもかかわらず、突然に、動機や呼吸困難、強烈な恐怖や不安感などに襲われます。この突然の身体症状や恐怖感、不安感を「パニック発作」と呼びます。パニック発作には下記のような症状があります。
・動悸、心拍数の増加 ・発汗 ・身震い、震え ・息切れ、息苦しさ
・窒息感 ・胸部痛、胸部の不快感 ・吐き気、腹部の不快感 ・寒気、熱感
・めまい、気が遠くなる ・自分自身のコントロールを失う恐怖 ・死への恐怖
・現実感の消失、離人感(自分が体から切り離されたような感覚)
パニック発作にはたくさんの種類があり、人によって現われ方が異なります。10分以内にピークに達し、10~20分ほどで治まります。
初めてパニック発作を起こした時には、「自分がどうかなってしまう」「このまま死んでしまうかもしれない」といった感覚に襲われ、とてつもない恐怖として体験されます。体の病気かと思い、病院に行って検査などをしても、数値に異常は現われることはありません。にもかかわらず、同じような発作が繰り返し起こります。
◆「予期不安」
パニック発作を繰り返すことで、「またあの発作が来るかもしれない」という不安に常に悩まされることになります。それが「予期不安」です。パニック障害は、表に現れやすいパニック発作の症状だけでなく、「予期不安」が生活や心の健康に大きな影響をおよぼすことが特徴です。
◆「広場恐怖」
「予期不安」が強くなると、パニックを起こしそうな状況やパニックを起こしたくない場所を避けるようになります。例えば、ショッピングセンターなどの人が集まる場所、電車やエレベーターなどの密室、トンネルなどの閉塞感がある場所に行くことを避けるようになります。また、家族などの信頼できる人がいない状況での外出、一人での外出が難しくなります。
行動が制限されることで、生活に大きな影響が出てきます。仕事や学校に行けなくなったり、気分転換や余暇活動なども制限されたりしてしまいます。それにより、自信がなくなったり、将来への不安を抱えたりして、心にも大きな負荷がかかってきます。
パニック障害は、進行するとうつ病などの発症にもつながります。パニック障害の原因はまだはっきりと解明されていませんが、発症する前に、大きなストレスのかかる出来事を経験していることが多いといわれています。パニック障害は、心に負荷がかかっている状態であれば誰でも発症する可能性がある心の病です。自覚症状があるときは、すぐに病院や心の専門家に相談しましょう。