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心理コラム

パニック障害~生活の中でできる工夫と対処法~

2024.03.02

パニック障害では、唐突に、前触れなく、動悸やめまい、飛び出したくなるような恐怖に襲われるといったパニック発作が起こります。一度でもパニック発作を経験すると、「もうあんな思いはしたくない」と恐怖や不安に駆られます。それでも、仕事や学校に行かなくてはならない人は少なくないでしょう。

一度沸き起こった不安や恐怖は、次々と別の不安や恐怖を招き、思考の悪循環が起こります。例えば、「電車に乗ってパニック発作になったらどうしよう。」→「電車に乗れなかったら職場に遅刻してしまう。」→「前も遅刻したし、上司になんて言われるだろうか…」といた具合に、不安から抜け出せなくなってしまいます。負のスパイラルから抜け出すためにも、不安から意識をそらすような工夫や、不安になりそうなときに行えるリラックス方法などをあらかじめ知っておくと、いざというときの対策になるでしょう。

◆パニック発作は20分ほどで自然に消えていく。

 まず、パニック発作は10分以内にピークになり、その後自然に消えていくことを知りましょう。死んでしまうことはありません。もし発作になっても、慌てず落ち着いて対処しましょう。

◆頓服薬を飲む。

 もし処方薬を持っているのであれば、不安になり始めたら頓服薬を飲みましょう。不安になることが予想されるときには、あらかじめ飲んでおいてもいいですね。

◆呼吸法(リラクゼーション法)を試みる。

 パニックになりそうな時に行います。座るか、何かにもたれかかりましょう。

  • 息を止めて準備します。まず、3秒かけて息を吐きます。その時、息とともに体から力が抜けてリラックスするイメージをしましょう。
  • 次に、3秒かけて自然に息を吸います。
  • その後は、3秒かけて息を吐く→3秒かけて息を吸う、を繰り返します。5分ほど行いましょう。できれば鼻呼吸、難しければ口呼吸で行います。

呼吸法は、お風呂や寝る前などに練習すると効果的です。

◆安心できる場所を確保する。

 例えば、電車の中なら入口に近い場所、教室であれば一番後ろの席に座るとよいでしょう。パニック発作になってもすぐに外に出ることができたり、人に見られずに済むという安心感があることで、不安が軽減されます。

◆飴をなめる、ガムを噛む。

 パニック発作が起きると、その症状に意識が向きがちです。「心臓がドキドキしてきた」と思うと、そのドキドキに意識が集中し、さらに不安が高まってしまいます。そういったときは、症状から意識をそらすようにしましょう。例えば、飴をなめたり、ガムを噛むことで意識をそらすことができます。ほかにも、時計の針を眺めたり、好きな歌を歌ってみたり、お気に入りのぬいぐるみを触ってみたり、自分に合った意識のそらし方を探してみましょう。

◆日常生活で気を付けるとよいこと

心や体にストレスがかかると、パニック発作の引き金になる可能性があります。治療中は過剰な負荷がかかる行動は避け、穏やかに過ごすよう心がけましょう。

・規則正しい生活を送り、よく睡眠をとる。

・規則正しい服薬を行う。

・アルコール、カフェインは控える。

・風邪などに気を付ける。

・過労、ストレスをためない。

・適度な運動を行う。

 パニック障害になると、まるで自由が制限されてしまったように閉塞感を覚え、自信を無くし、今後の将来に不安を感じたりするでしょう。しかし、この病気になることで、あなた自身の能力が損なわれてしまうことはありません。早期に医療や専門家に相談し、自分自身の生活を取り戻すイメージを持ちながら、治療に臨みましょう。

 こころの保健室では、ともに病気を乗り越えるサポートを行っています。気になることがありましたら、ぜひご相談ください。

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