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心理コラム

睡眠障害について

2024.10.03

近年、心と体の健康に「睡眠の質」が関係していることが広く知られるようになりました。ベッドや枕などの寝具にとどまらず、サプリや乳酸菌飲料など「睡眠の質」を上げる効果があるとうたう商品も多くでまわっています。しかしながら、裏を返せばそれほどまでに睡眠を上手にとれていない人が多いといえます。日本は先進国の中でも睡眠時間が最も短いといわれています。原因としては、PC・スマートフォンの普及、24時間営業店舗の拡大、睡眠に対する意識の低さ、高齢化などが考えられており、社会全体の問題といえるでしょう。

それでは、睡眠障害とはどのような状態を指すのでしょうか?睡眠障害の中でも特に多いといわれている、不眠症と睡眠時無呼吸症候群についておはなしします。

【不眠症】

不眠症には4つの主な症状があります。

・入眠障害…入眠するまでに時間がかかる。寝つきが悪い。

・中途覚醒…眠りが浅い、夜中に何度も目が覚めてしまう。

・早朝覚醒…起床予定の時刻より早く目が覚めてしまい、それ以降眠れない。

・熟眠障害…起きたとき、ぐっすり眠れたという休息感が薄い。

 また、これらの症状が原因となって日中に倦怠感や意欲低下、集中力低下などの不調が生じます。

 不眠は誰でも経験する症状で、しばらくすれば治ることがほとんどです。しかし、不眠が慢性化し、日中の不調が続き生活の質が低下すると、重大なミスや事故につながりかねません。上記の症状に心当たりがあり、数週間以上続く場合は専門機関へ相談してみましょう。

【睡眠時無呼吸症候群】

睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome; SAS)は、睡眠中に何度も呼吸が止まったり、浅くなったりして血液中の酸素濃度が低下する睡眠障害です。また、次のような症状がみられます。

・いびきをかいている。

・睡眠中に何度も目が覚める、息苦しさで目が覚める。

・起床時、頭痛や体の倦怠感がある。

・日中に眠気を感じる。

 睡眠時無呼吸症候群になると、不眠症と同じく日中の活動に支障をきたすほか、高血圧、動脈硬化、生活習慣病などのリスクを上げることにつながります。ひどいいびきや睡眠時の無呼吸がある場合は、できるだけ早く専門機関を受診するようにしましょう。

 多忙であったり、やることが多いと感じたりしたときほど、人は睡眠をおろそかにしがちです。しかし、睡眠の質の低下はパフォーマンスを下げ、ミスや事故を誘発します。そして、ミスや事故がストレスとなってさらなる不眠を引き起こすという悪循環になりがちです。「最近調子が悪いな」と思ったときは、生活の基本である睡眠を見直してみましょう。

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